題 どこまでも
「どこまでも行っちゃおうか」
振り向いてあなたを見つめる私の瞳を見つめ返すあなた。
「⋯君が行きたいなら」
あなたはズルい。
そうして私任せで。
あなたはいつも私に選択を一任するよね。
いいの?
このまま行っちゃっても。
あなたは後悔しないの?
私を選んでしまって。
そんな思考に陥ってしまうから。
負のループに陥ってしまうから。
だからその次の言葉が告げられない。
「じゃあ行こうよ、あなたがいいなら」
って。
どんな壁があっても。
どんな困難に見える道でもさ。
あなたが一緒なら頑張れる気がするの。
だから私はあなたさえいいなら行きたいよ。
⋯⋯でもね、本当はずっとずっと待ってる。
「一緒に行こう」
その一言を。
本当にそれでいいのかわからないから。
選択しきれるほど責任を負えないと思ってしまうから。
だから私から行こうよって言えない。
行きたいのに。行きたいのに。何を投げ捨てても行きたいのに。
ダメなの。
やっぱりあなたの一緒に行きたいって言葉を、私はずっと待ち続けてしまうんだろうな。
それまでは私たちの関係は決して動かないんだろう。
いつまでも止まったまま膠着状態で。
いずれどちらかが音を上げるまで。
私たちの忍耐強い我慢比べは続いてしまうんだろう。
10/12/2025, 4:19:18 PM