あなたはとびきりの笑顔で笑いかけた。
「あなたが私を好きでいてくれるのはすごく嬉しいよ」
そう言って私の涙を拭った。
ほしかった言葉は、くれなかった。
それから季節が2つほどまわった時だった。
少し会わないうちに、彼女の隣に、背の高いおとこのひとが並んでいた。
「あたしはあたしのことを好いてくれる人が好きなの」
そう言って、貴方はとびきりの笑顔を向けていた。
「だからあんたも特別」
どうして、特別だなんて言うの
どうして、どうして
欲しかったのは、そんな特別ではない
私のほうがずっとずっと、貴方のことを愛しているのに
私が男だったら良かったの?
だったら、そう言ってくれればせめて救われたのに
ねえ、どうして
どうして貴方はいつも、私から逃げるのですか
ずるいよ、どうしてあのとき、私を拒絶してくれなかったの……
1/14/2023, 12:38:10 PM