「ど、どうして泣いてるんです?」
と言われて、初めて私が泣いていることに気がついた。拭おうとしても、次の瞬間また溢れてくる。
「先輩!?」
「大丈夫ですか!?」
「誰かに何かされたんだったら私が…!」
多種多様の反応する私の後輩たち。ゆっくりと背中をさする手があたたかい。
私はやっとのことで口を開いた。
「違うの、悲しいんじゃなくて、嬉しいの」
さっきのざわめきから一転、静かになると同時に、8つの目が私に集まる。
「私、幸せだわ。皆のような後輩がいてくれて」
途端、先ほどのざわめきが帰ってきた。ただし、今度は歓声と悲鳴と泣き声で。「本当ですか!?」「先輩〜!」「私も幸せです!!」中には抱きついてくる後輩もいて、私はもみくちゃにされてしまった。
皆んながこんなに喜んでくれるのなら、たまには泣いてみるのも悪くないかもしれない。
でも、幸せを感じるごとに泣いてちゃ、涙がいくらあっても足りないな。
10/11/2024, 8:54:25 AM