【別れ】
「また明日ね!」
「うん……また明日」
帰りの別れ道で、いつも通り彼女は挨拶をして去っていく。
明日。
また、明日。
いつも通り。
また、明日。
3年生になり、その"いつも"の終わりが、刻一刻と近づいているのを、感じずにはいられない。
12年続いた彼女との明日が、1年後にはなくなってしまう。
彼女と明日を迎えるのを、こんなにも大事に思っていたなんて。
この前の模試の結果は、比較するのも無惨なくらい、彼女には差をつけられていた。
1年後の彼女には、知らない誰かが隣にいて、いつしか、私のことも、忘れてしまうのだろうか。
私は無意識に、制服の袖を握りしめる。
それだけは。
それだけは、嫌だ。
例え追いつけないのだとしても。
昨日までの自分に、別れを告げるために。
私は初めて、参考書を開いた。
5/19/2026, 4:01:43 PM