雫の光

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独り暮らし用の格安マンション。
その一室では二人の男女が生活している。二人で暮らすには少し狭いだろうに。
異臭にまみれ、床が見えない足元。
唯一動き回れるのはソファの上のみ。
彼らは同じ目的で暮らしている。
天井に吊るされ、ちぎれている輪っか。
いくつもの頭痛止めの空瓶。上にはほこりが被っている。
窓から入ろうとする光は、薄汚れてカビのついたカーテンで遮られている。

いつか来るその日まで彼らは息をして寝ているだけ。
普通の人の日常ではないけれど、社会とかけ離れた彼らの“日常”だ。

*日常*

6/22/2023, 12:04:59 PM