《空に向かって》
「いやー、いい天気だねー!」
4月上旬、私、熊山明里は蒼戒と2人で並木町桜ヶ丘の片隅にある、天望公園にお花見に来ていた。
「こんなに晴れたのは久しぶりだな。最近花曇りが続いていたから」
「だねぇ。にしてもあんた、よく時間空けれたね。1番忙しい時期でしょ?」
「あー……、それはまあゴリ押しだというか何というか……」
蒼戒がかなり遠い目をして言う。何か一悶着あったらしい。
「そりゃお疲れ。あ、見てみて、ここも満開!」
天望公園は穴場中の穴場……というか存在すら忘れられた公園なので私たちの他に人はいないが、すごく立派な枝垂れ桜が咲き誇っている。
「私が昨日の夕方見に来た時は七分咲きだったのにねぇ〜」
「昨日今日とだいぶ暖かくなったからな……」
「そりゃ一気に咲くわけ」
「そういえば話は変わるがお前も今日部活なり生徒会なりあるんじゃないのか? 繁忙期だし」
「ああそれ? サイトウに全責任を押し付けて来た」
「通りであいつが死んだ魚の目をしてたわけだ……」
「ごめんサイトウ……桜の花の寿命は短いのよ……」
あと機械の話だったからサイトウだけで何とかなると思ったんだけど無謀だったかなー……。
続きはまた後日!
3.31の《またね!》は書いたので読んでくれると嬉しいです!
2025.4.2《空に向かって》
4/3/2025, 9:54:02 AM