月下の胡蝶

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お題《言葉はいらない、ただ……》



黄昏の空になびく外套。


振り返ることすらないけど、その背中から伝わるのは《信頼と約束》――生死を厭わないその人は、決して命を軽んじているわけじゃない。



“生きるために、守りたいから俺は闘う。俺は、絶対死なないし死ぬつもりはない。それに――”



黄昏に舞う花弁。


世界は美しくて、果てしない夜が広がっている。




“お前らがいる。それだけで、充分だろ”



背中から伝わるのは、永遠の絆と覚悟だ。



あの日の言葉が、今、咲き誇る。


8/29/2024, 10:25:27 AM