拝啓 早春の候、いかがお過ごしでしょうか。三月とはいえ、まだ風は冷たく、朝夕は身をすくめるような寒さが残っております。そんな折、ふと貴方のことが胸に浮かび、こうして筆を取った次第です。
私の想い人へ
春の風がそっと障子を揺らすたび、
貴方のことを思い出します。
特別なことなど、何ひとつ望んではおりません。
ただ、朝の光のなかで貴方が微笑み、
夕暮れのやわらかな影のなかで同じ時を過ごすこと。
それだけで、胸の奥が満たされるのです。
華やかな言葉も、誓いの言葉も、
きっと私にはうまく綴れません。
けれど、ただ一つだけ確かな想いがございます。
願うならばずっと、貴方の隣で笑っていたいのです。
嬉しい日には共に声をあげて笑い、
つらい日には、そっと肩を並べて黙っていられる。
そんなささやかな日々を、
幾つも幾つも重ねてゆけたなら、
それ以上の幸せはございません。
もしも時の流れが私たちを老いへと導いたとしても、
その折にも、貴方の隣で微笑んでいられたなら
私はきっと、世界でいちばん満ち足りた人でしょう。
ですからどうか、
これからも変わらぬ場所にいてください。
私は今日も、
貴方の隣で笑う未来を、
そっと胸に抱いております。
ずっと、貴方の隣で。
敬具
追伸
この手紙を書き終えてから、もう三度ほど貴方のことを考えてしまいました。
私はどうやら、思っている以上に貴方のことが好きなようです。
3/13/2026, 1:27:02 PM