【あくねこ ラムリ―星座―】
空気の澄んだとある夜、見張り台では一人の男が髪をなびかせながら空を眺めていた。名はラムリ、星を眺めるのが好きな男だ。
「あれは…アンドロメダ座だ…」
空を見つめながら一つぽつりとつぶやけば、まるでその星言葉が自分に重なるようで少し恥ずかしかった。真っ赤に頬を染めたが、たった独りの空間で何を恥ずかしがっているのだと、我に返った。
「ラムリ、ただいま。」
振り返るとそこにはデビルズパレスの主がいた。
「どこに行ったんだろうと思って探しに来ちゃった。」
「あ…!ごめんなさい主様!すぐ部屋に戻りましょう、最近は涼しくて、寒暖差で風邪をひきやすいですからね。」
そうして見張り台を後にしたラムリだが、きっとこの星座の事をラムリはずっと忘れないだろう。
星は瞬く。だが星たちは言わない。その秘められた思いを一人抱えて自らの心に気づく。
執着心と情熱的な恋、ラムリの脳裏に焼き付いて離れない言葉。
10/6/2024, 10:09:59 AM