喜村

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 姉ちゃんの遺品整理なるものの手伝いをすることになった。
いつも閉ざされていたカーテンを開け、換気をしながら姉ちゃんの部屋を片付ける。
 あの日も、この窓を開け、そこから姉ちゃんは飛び降りたのか、と、若干胸が締め付けられそうになりながら。マンション20階、そりゃしんじゃうよね。

 机はもう数ヶ月勉強をしていないからか、綺麗に元からなっていた。
 しかし、僕は知っている。姉ちゃんの日課を。
まだ幼かった僕だったが、姉ちゃんの部屋に入ると、寝る前に書かさず姉ちゃんは日記をつけていた。
 姉ちゃんは、小一の時の夏休みの宿題だった《絵日記》から習慣付いたと言っていた。
 そして、その場所も僕は知っている。机の引き出し、上から二番目。
ガラリと開けると、小学生の時から亡くなる年のものまで並べてあった。
 見てはいけないのかもしれないが、遺族として原因があるかもしれない、と、僕は日記を開いた。

 いじめが始まったであろう年の日記から、日記帳に鍵がついていた。その鍵は--パッと辺りや引き出しを開けるが見当たらない。
まぁ、片付けをしている間にでもでてくるだろう。

 小学生の頃、ほんの二、三年前の日記は、とても綺麗な字で、明るい内容のものばかりだった。
こんなこともあったな、そんなこともあったっけ、と、家族の内容が書いているものは僕まで口の端が緩んだ。

『明日から中学生! 授業が増えたり部活を始めたり、今から楽しみだなぁ♪』

 僕らが読める日記はここまでだった。
この先、姉ちゃんにどんなことが起きたんだろう。
 僕は閉ざされた日記が気になって、遺品整理という名の日記帳の鍵探しに奮闘した。

【閉ざされた日記】

※【どうして】の続きです。

1/18/2023, 12:38:25 PM