だから、一人でいたい。
二人でいる寂しさよりも
一人でいる寂しさのほうが
いっそ、せいせいすると
あの子は、言った。
自由が先で自由こそ大事と
馬鹿な自称天才は
訳知り風に、シュプレヒコール
あの子は、叫んだ。
だから、一人でいたい。
二人でいる寂しさの方が
一人でいる寂しさよりも
冷たいと、知っているから
あの子は、言った。
不自由な決まり事があるから
こそ、自由を知ることが出来る
全てを知ると豪語する自称天才に
不自由だからこそ自由になれると
あの子は、言った。
自称天才には、わからなかった
何故なら、彼は守られて
安穏とくらしているから
自由っていったいなんなのか
知っていなかった。
だから、一人でいたい。
なんて、嘯くのだ
本当の孤独を知らない呑気
本当の自由を知らない呑気
しんしんと、凍てつくような孤独
触れたものが、端から凍てつくような孤独
深い深い山の奥で一人きりで自由
そんな自由欲しいか?まるで自慰行為みたいな
フリーの根無し草
人と人の間で、不自由だと思ったり
気遣ったり、気遣われたり
満ち引きする潮の流れのような
引力のような何か根子のような柵
例えば、家族、仕事、近くの他人
そんな不自由があるからこその自由だと
あの子は言った。
だから、一人でいたいなんて私のことを分かって慰めてと言ってるみたいなこと言ってんじゃねえよ。
そう言って、あの子は笑った。
令和6年7月31日
心幸
7/31/2024, 1:26:59 PM