春待

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10年前、君は突然僕の前から姿を消した。



高校二年生の春、桜のように現れた君はその年の冬
突然いなくなってしまった。

学校にも放課後寄っていた図書館にも、どこを探しても君だけが見当たらなかった。


引っ越したとクラスメイトの女子たちは言っていたけど何も言わずに転校するだろうか。


いなくなってしまった理由も分からないまま今日で10年。僕たちは恋人ではないけれど、僕は君のことが好きだった。僕の初恋は君だったんだよ。


こんな僕に優しく接してくれた君が忘れられない。
"お守り"と渡してくれた赤色のリボン。

「これはね、願いが叶うリボンなんだよ…」


10年経ってもこれだけは捨てられなかった。
君が僕にくれた大切な物だから。




僕は10年ぶりにリボンを握りしめて願った。
"もう一度君に会えますように"と…。



「時を結ぶリボン」

12/20/2025, 2:18:51 PM