…―――…
…―――…野薔薇は辺り一面枯れていて――私はそこで彼の亡骸を見たの
――?
なぜって、この世のものとは思えないくらい美しかったの――私、彼には指一本触れずに、傍でずっと見守っていたわ――そうしたら羊が、ちいさなちいさな仔羊が――とっても可愛いの――彼のブロンドの髪をむしゃむしゃとやるから――
――?
私あわてて「だめよ、彼はいま幸せな夢をみているの」って追い払うのだけど、彼は「大丈夫だよ」って言うのね――
――?
そう、彼は死んだの――「大丈夫だよ」って言うから、私は植木屋に白パンを分けてもらって――特別やわらかいものを、母にあげたわ。中に木苺のジャムが入っていた――あなたにもそういった経験はない? 私が10代の頃は――甘い物を禁じられていたから、ドレスは絶対に青がいいって言ったのに――パーティーで誰も私と踊ってくれなかった――
……。
信じられない。本当に――だって、貴方さっき言ったでしょう。彼は死んだのだって――私もそう思うわ、誰も私とお話をしてくれないし――寄ってたかって、嫌なことばかり――
――?
皆がそう言ってるの! ああ、こんな事になったのも――妹に聞いたら、明日は天気が良いみたいでお洗濯をしないといけないんですって。最近、本を読んでいないでしょう? お腹を空かせた羊の子にはピアノを弾かせるべきよ――
…―――…。
ええ、お休みなさい。良い夢を見てね。
『テープはここで終わっている――枯れた薔薇は何色だったのだろう?』
【こんな夢を見た】
1/24/2026, 12:50:37 AM