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優しい話し方をする人は、きっと相手の気持ちに寄り添う努力をしている人なんだろう。


意識下かそうでないかに関わらず、何をどのように、どんな語彙をもって述べるか、話し手は常に選択している。
もちろん受け取り方は聞き手のそれぞれである。
それゆえに、聞き手の側に立って言葉の強さを調整できる人、言葉を丁寧に扱う人には魅力を感じる。

話す内容や話し方には人生が表れる、と私は思う。
これまで経験した環境、学び取り入れてきたもの。
生来の気質、または分厚く重ねた仮面。
何を考え、思いを巡らせ、切望しているのか。

もちろん、ただ一度だけ他愛のない世間話をしたからといってその全てを垣間見ることはできないが、得られる情報は多い。
まして、日頃行動を共にする機会が多い相手や、一度でも深い話し合いをした相手ならば、なおさら情報量は増えるだろう。

❄︎

話を元に戻そう。
私は優しい話し方をする人が好きだ。
これは単に会話の速度や声の調子だけの話ではない。

たとえば、柔らかな言葉選び。人を貶すようなニュアンスを含まない文脈。穏やかな相槌。話す前のひと呼吸。優しい笑い声。そこに流れる落ち着いた静かな空気。

たとえば、私が悩みを打ち明けた時、最後まで静かに聞いて、それからーー(次々と正論を述べアドバイスを捲し立て激励を飛ばし、反応が悪いと見るや否や“これ以上どうしたらいいの?”と機嫌を損ねてしまうあの人みたいじゃなくて)ーーこんなふうに言ってくれる人。

「今僕にできることはなにかある?どうして欲しいか言ってみて」

あのね。なんにも言わなくてもいいから、
今はただ、あなたに傍にいてほしいんだ。



『どうすればいいの?』

11/22/2024, 5:16:15 AM