『ひなまつり』
子供の頃は、七段飾りの雛人形を出していた。
骨組みを組み立て、
緋毛氈を敷き、段ごとに、
親王である内裏雛(男雛女雛)、
三人官女、
五人囃子、
随身(左大臣右大臣)、
仕丁(三人の衛士)、
箪笥や長持、鏡台などの嫁入り道具、
左近の桜と右近の橘、
雪洞(ぼんぼり)などを飾る。
一室にドンと構えられたそれは、とても存在感があって美しかった。
お内裏様やお雛様が着ている着物の生地も、おすべらかしの髪に飾られた金の釵子(さいし)も、飽かずに眺めていたものだ。
出したり仕舞ったりは大変だったけれど、あの華やかな空間は好きだったな。
3/4/2026, 6:15:30 AM