『嗚呼』
ずっと死にたかった。
死にたくて死にたくて、どうしようもなかった。
それでも行動に移せない自分が馬鹿で愚かな人間に思えて余計に苦痛だった。
いっその事、君に打ち明けようかと思ったんだ。
死にたいって、もう終わりにしたいって。
だけれども、優しい君にそんなこと言えなかった。
俺は知ってるんだ。
君が過去に大切な人を亡くしてることを。
そしてそれが自らの意思だったってことを。
もう二度と誰も失いたくないことを。
俺は、知ってるんだ。
それでも、死にたいって願ってしまう俺はやっぱりどうしようもない人間だと思う。
申し訳ないとも思う。
生きたいって思えなくて申し訳ない。
君が俺を愛してくれてるって分かってる。
大人になりたくないんだ。
ずっと昔に自分と約束したんだよ。
20歳の誕生日までに死ぬって。
だって、大人との境目なんて曖昧なんだけれど、
20代が子供扱いされることはないだろ?
やっぱり子供で許されるのは10代までなんだよ。
自分が幻滅した大人になりたくない。
苦しめてきた大人と同じ立場になりたくない。
子供の気持ちの分からない大人になりたくない。
数字に囚われて、常識という名の偏見に囚われている大人になりたくないんだ。
嗚呼、ごめんな。
君が俺に生きて欲しいのは知っているんだ。
でもね、やっぱりそれでもね、俺は死にたいんだ。
2025.03.09
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3/9/2025, 2:17:47 PM