彩士

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見上げた闇には、時空も時軸もない。
どれだけ手を伸ばそうと、握った掌には何も残らない。
分かっているけれど、何度も繰り返してしまっていた。
「はは、、、俺は何をしているんでしょうか」
分かりきった結果を受け入れられずに足掻いている自分を嗤った。

仲間はみんな闇の中に葬られた。
残されたのは自分一人だけ。
「誰か、残ってないんですか」
寂しいです、という微かな呟きもまた、闇の中に吸い込まれていった。

「今まで何億年も生きてきましたけど、こんなに辛いことなかった気がします」

脳裏にははっきりと思い出せる仲間の笑顔。
それが一番星だったのにな。

3/11/2025, 10:57:48 AM