bye bye...
私は、かつて有名な見世物小屋の一人だった。
昔から、私の身体は所々にシミが出来ていて、子供の時に、親に捨てられた。
さまよってようやく、スターと呼ばれる人に出会ったのだ。彼は素敵な顔で、素敵な舞を見せた。
まさに、映画のような何かで。
努力の甲斐があってか、やがて見世物小屋のオーナーが、シミの出来た女の子と言い、私を招待した。
しかし、その場で私は虐げられ、蔑まれた。
それでも、死ぬ気で人々の目に焼き付ける、自身の姿を演じ続け、やがて身体を壊してしまった。
気が付けば、そこは夜の世界。
見世物小屋の一人としての炎は消え、傷まみれ。
ようやく認めてもらえた自分の姿。
珍しいね、と言ってもらえた私の存在。
震える手で、誰かの手を掴むために、また更にさまようことになる。
ようやく手を掴んでも、時代の流れは無情で。
皆、彼女の姿を受け入れない人間に変わっていた
彼女は何を言っても変わらない現実に絶望し、いつしか、見世物小屋丸ごと燃やし尽くした。
「さよなら。私の、生きた場所」
そして、燃やした犯人とされる彼女は、
どこかで消え失せた。残されていたのは、
「ばいばい」
と書かれた彼女の日記一冊だけ。
3/22/2025, 2:36:48 PM