堕なの。

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◤浮気性◢

俺は好きな奴としかキスしないんだ。漫画の中ならときめくが、現実で言われるとムカつく。今私は、それを実感していた。

「巫山戯んなよ。ゴミ野郎が」

カフェで人目も気にせず水をぶっかける。こんなドラマみたいなことを人生の中で経験するとは思ってもみなかった。だが、それ程に私は腹が立っていた。

「でも、好きなのは君だけだよ」
「好きなだけでしょ。五年も経って」

付き合う時に言われた、絶対に浮気しないという言葉は守られた試しがない。五年経っても、彼の浮気性は治ることがない。彼にとっては結局、恋なのだ。愛じゃない。

「愛してないでしょ」
「愛してるよ」
「分かってない」

私の心はもう擦り切れていた。どれ程愛しくても、もう傍には居られない。

「さようなら。愛してる」

ちょっとした嫌がらせに愛を騙った。もう消えたはずの愛を、また溜飲と一緒に飲みこんだ。もう二度と間違えない。そう思いながら、彼から送られてきた、最後になるLINEのメッセージを確認した。

[ごめん。もう一度だけやり直させて。恋愛感情だけじゃなくて、パートナーとしても愛してるから]

彼はどうしようもない男である。気づけば私の足は道を戻っていた。


テーマ:Love you

2/23/2024, 12:56:00 PM