【愛を叫ぶ】
[一年後 続編]
登場人物
紬19 剛志6
優斗20 雅6
「お姉ちゃーん大変だー!」
「どうしたの剛志?あら、いらっしゃい雅ちゃん」
「あれ、お姉ちゃん驚かなの?」
「何を?それより、ふたりは同じクラスになれたの?」
「お姉ちゃんは雅ちゃんがボクの家の近くに越してくること知ってたの?」
「知ってたわよ。優斗さんから聞いてたもの。剛志には言ってなかったっけ?」
「そういう大事な事はちゃんと言ってよ」
怒っていいのか、嬉しいのか、よくわからなかった。
ボクたちはいつも一緒にいた。
毎日が輝いていた。
嬉しくて、楽しくて大声で叫びたいくらいだった。
「お姉ちゃん、ボクたちは毎日会えるんだから、もう無理してあの男に会わなくてもいいよ」
「えっ、何言ってるの?」
「ボクたちのためにイヤイヤ会ってたんでしょ?」
「そんな事ないわよ」
「そうなの?でもお姉ちゃん、あんまり楽しそうじゃなかったから」
「そんな事ないわよ」剛志はどうしてそんなことを言うのかしら?
もしかしたら、優斗さんにもそんなふうに思われているのかしら。いままで男の人とお付き合いしたことがなかったからだわ。優斗さんに嫌われたら、どうしよう。
「もしかして、あの男が好きなの?」
剛志に言われて、やっと自分の気持ちに気付いた。私は優斗さんが好きなんだ。思わず体が熱くなった。
「お姉ちゃん、顔が赤いよ。熱でもあるの?」
「なっ、ないわよ。それから、あの男って言うな!」つい、照れ笑いならぬ、照れ怒りをしてしまった。
今日は1ヶ月ぶりに優斗さんに会える。嫌われないように、楽しそうに、そんな事ばかりを考えていた。
「紬さん、何かあったんですか?今日は様子が変ですよ?」
「いいえ、何もありません。ごめんなさい」まずい、このままじゃ嫌われてしまう。何とかしなければ、思えば思うほどぎこちなくなってしまう。
「紬さん、今日は大切な話しがあります」
「はい?」どうしよう。きっと、もう会わない終わりにしようって言われるんだ。
「僕たちも、出逢ってから1年になります」
「はい」どうしよう、どうしよう、終わってしまう。
「今まで、ちゃんと言ったことがなかったので」
「はい」ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ誰か助けて。
「僕と」
くる、クル、来る、くる。
「正式に、お付き合いして下さい」
「へっ、」
「好きです」
「え〜!€÷*〒♪%$〆...」
「お願いします」
「いえ、えーあーうー???」
「ダメですか?」
「いえ、あのーそのー、ごごごごゴメンナサイ!」
「やっぱり僕じゃダメですか。」
「ゴメンナサイ、?そそそそうじゃなくて、」ひゃーわたしテンパってる。
『わたしも、わたしも優斗さんが好きです‼️』思わず叫んでいた。
「剛志くん、うまくいったね」
「雅ちゃんが、お兄さんに話してくれたからだよ」
どうやら、この2人が愛のキューピットのようだ。
つづく.....かも?
5/12/2024, 9:31:27 AM