友達を殺してしまった。
奪われる痛みを誰よりも知っているはずの僕が。
僕は友達の物言わぬ死体を前に、一歩、二歩、ゆっくりと後ずさった。
よりにもよって開眼したまま絶命してくれた友の目が、「どうして俺を殺したんだ」とえんえんと僕を責め立てている。
「違う。違うんだ。でも、うう……」
細い嘆願の声は、血の匂いが充満する部屋に吸い込まれた。
僕はただ、お前と落ち着いて話をしたかっただけなのに……。
心の中でぽつりと呟くと、まるで僕の心を読んだように、友の目がぐるりと回った。
当然そんなことはなく、恐慌状態だった僕の精神状態が見せた幻に過ぎないのだが、そのときの僕に分かるはずもない。
「何はともあれ、これで晴れて殺人鬼の仲間入りだな」
彼の瞳が訴えかけている。僕はそれを当然の糾弾として受け入れた。
ついさっきまで息をしていた彼を、その人間性でさえ、僕はピンナップにして終わらせたのだ。
5/4/2025, 3:51:57 PM