#毎日の小説の題名で長編小説に! #恋愛
#余命1ヶ月28日
あの日から数日、
私は確実に彼を意識してしまっている。
『なんで…!』
今まで恋なんてしたことない。
だから、これは恋…なのかも分からない。
いつか、分かる日が来るだろうか。
私は、そっと胸に手を当てた。
こうやって、緊張したときや
自分を落ち着かせたいときは
自分の胸の鼓動を聞くようにしている。
いつものリズムで私は変わらない、
普通の人間なんだって。すると、私はいつの間にか
落ち着いている。馬鹿なことで悩んでたな。
そう言えるくらい。
『……あれ?』
なんだか胸の鼓動がいつもと違って…
『……なんか…速い…?』
「何がぁ?」
『ビクッ』
ッ!誰?!
そう思って振り返ると、
「あ…ごめん、びっくりした?」
あの彼がいた。
『あ…いや、アレは誰でも驚く…と思う』
「確かに!これから、気をつけるわ!」
元気だなぁ。
なんというか、小学生みたいだな。
『そういえば、いいの?』
「?」
「何が?」
『ほら。』
そういって窓の外を指さした。
『ほら、いつもあの人たちとバスケしてるでしょ?』
『だから、今日はいいのか…なっ…て思って、』
……あれ?なにか不味いこと言ったかな?
なんか喧嘩でもしたのかな?
朝の雰囲気的に喧嘩はしていなさそうだけど。
あんなに仲いいしね。喧嘩してる姿が想像できないや。
「……すごいね。」
『何が?』
「いや、俺一週間だけコート貸してもらってたんだ」
……え?
「だから、もう使えなくてさ~」
「……ほら他の奴らが来たでしょ?」
また、窓の外を指さした。
先輩たちがバスケをしている。
『あ…』
私、知らない間に彼のこと目で追ってた?
『/////』
やっぱり、意識してたんだ。
キーンコーンカーンコーン
「あ…ヤベー!じゃ、バイバイ!」
「……あ、お前も遅れんなよ〜!」
『/////』
落ち着いて、落ち着け、自分。
つい、いつものクセで胸に手を当てた。
私の胸の鼓動はやっぱりとても速くて、
……コレが恋かまだ分からないけど。
いつもと違うこの胸の鼓動もなんだか心地良い。
彼のことはもう………
私は、胸を握りしめ、
自分の胸の鼓動を聞きながら、教室に急いだ。
【胸の鼓動】#3
9/8/2023, 2:05:48 PM