街
ある街の交差点で、すれ違い様にハッとした
それは2年前に別れた、左頬にほくろがある黒髪ストレートの彼女だった
一瞬目があったが、彼女は気づいたのか分からない
交差点をわたり終え、振り返るとか彼女の姿はない
それは、季節外れの風鈴を思わせるような凛とした匂いだった
彼女と別れたきっかけは、お互い仕事が忙しく、すれ違いが多くなり、最後は自分から別れを切り出した、いつも逢ってる時は離れたくなかったのに、逢わなくなると忙しいせいもあって面倒くさくなった
彼女がどう思ったかは分からない、ただ共通の友達から聞いたはなしでは、別れたくなかったそうだ
そんな話を聞いたせいか、心の片隅に彼女の存在、そして当時の甘ったるい匂いが残ったままだった
今は仕事も落ち着いた、彼女もいない、昔みたいに妙な焦りはない、もう一度彼女と話がしたい
彼女の凛とした甘ったるい匂いを嗅ぎたい
6/12/2024, 3:40:07 AM