ちゃしろこん

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創作

この学校だけの都市伝説があるらしい。下駄箱のどこかに隠された秘密の手紙があるんだって。
私はしつこく手紙を探そうとする友人に連れられ、いまだ帰ることも出来ず下駄箱に居た。友人はその友達や先輩、更には古くからいる先生にまで連日聞き込み。得られた情報をもとに場所を特定しようとしている。
「ねぇー、もう帰ろうよ。暗くなってきたよ。お腹も空いたし」
「待って!あとこの列だけ!無かったら今日は諦めるから…ん?」
友人は誰も使っていないからのはずの下駄箱をまさぐっていると、とある感触に気がついた。上段と下段の間にある仕切りの裏。死角に貼り付けてあったので誰にも見つかることなくその手紙は放置されていた。
「やった!これだよ。隠された秘密の手紙!」
友人はプライバシーも関係なく、経年劣化で所々黄色くなった封を開ける。中身は便箋1枚。無骨な文字で綴られていた。ところで、この特徴的な文字はどこかで見た事あるような…。
「ちょ、ちょっとそれ見せて」
「わっ、何何?知り合い?」
差出人と宛名を見ると、やはり。それは50年前、同じ学校に通っていた祖父が当時隣のクラスだった祖母に向けて書いた、ラブレターだった。

2/2/2025, 12:22:47 PM