いとがふつりときれたというか、
結露が一滴落ちたというか。
とにかくクロノスタシスの中で突然。あ。終わりにしましょ。と、なんだか漠然思ったのでした。
履き替えた靴の両足の、紐がどうにも弛んでるのを見て、言い知れぬ惨めさに支配をされて、近日潰れるわたしの体を抱き締めた。
白い女の腕でした。白い肌にあおとみどりの管が透けて、肩まで張り付く夥しい、ケロイドの如く盛り上がっているのでした。
それを人間は醜いと言いました。それでも、わたしはわたしの味方をしたかった。
喩えば黄色い線の外側で。屋上階の柵外で。わたしはまさしく今日この日まで、倒れることなく息をして参りました。
いずれ。目も当てられなく、破壊をされる、この体のまだ確かに綺麗な頃。まだ走馬灯の中身の時間をひとり鬱々と過ごしているのでした。
まだ、綺麗なのになあ………。
誰も抱き締めてはくれないみたいだ。
6/27/2024, 8:48:41 AM