空蝉

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彼女を待つ。来るか分からない彼女を。

とてもじゃないけど手の届かない彼女を好きになってしまった
この気持ちだけは無くしたくなくて、だけど別れの日は着々と
近づいていて、だから殆ど勢いで彼女を呼び出してしまった。

彼女は来るだろうか。
急に降り出した雨の音は僕をひどく不安にさせる。

どのくらいの時間が経っただろうか。
殆ど諦めきった僕の頭は家に帰ろうと促してくる。

帰れない。雨が降っているから。

雨などとうに止んでいたが、僕は動けなかった。
帰りたくなかった。彼女が来るまで。

雨の香り、涙の跡

6/19/2025, 10:53:55 AM