とある冬の昼下がり。
ストーブは要らない。
八畳ほどの私の部屋は何も動かずに、それでいて壁の軋む音が聞こえた。
結露した窓から、似た様な家々とそれから時々車と飛行機の音。
千草色に、もすこしホワイトを足して混ぜたような空は、チャイムを一際映えさせた。
界隈曲が私を違う道へと案内する。
少し、そうほんの少しだけ、周りが淡く見える。
日に焼けた攻略本、箱から出したままのジグソーパズル、削りカスが少し残った鉛筆削り、3年前に買ったアシカのぬいぐるみ、毛玉の残る紺のセーター。
これではまるで時が止まっている。
止めたのは、私なのかも、しれないが。
ズボンに糸屑が付いていた。
横に置いていたスマホを立ち上げ、レンズを構える。
今この瞬間を何故だか忘れたくなくて、シャッターを切った。
耳鳴りがした。
「、、、 。」
1/28/2024, 5:57:10 AM