決して集中していない訳ではないけれど、
夏バテ気味で、ぼーっとしていた午後
先生に名前を呼ばれて、机をみれば
開かれていない教科書とまっさらなノート
慌てて黒板を見て、教科書を適当に開く
見当違いのページを開いてしまって
焦って乱暴にめくる、めくる
手が覚束なくて、うまく動かない
ふと、肩を突かれ
となりの机から、開かれた教科書が置かれる
質問された箇所を読む
先生は訝しげな顔をしていたけれど、
授業に戻った
となりをちらりと見たけれど、
あの娘は知らん顔で授業を受けていた
取り敢えず、正しいページを開いて
となりに返却する
終わりのチャイムが鳴って、
改めてお礼を言い、となりを向く
ぼくの言葉に対して、あの娘はニコリと笑って
じゃあ、放課後アイス奢ってね
と言って席を立つ
全身の血が沸騰したように熱くなって
ぼくは机に突っ伏した
9/2/2025, 10:38:43 AM