安達 リョウ

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終わりなき旅(奇跡の星)


「これが超新星爆発の光?」
「そう。そのうち肉眼でも見れるらしい」

望遠鏡を覗き込み、遠く輝く瞬きを確認する。

―――星の生命の終わりを告げる、最期の瞬間の尊い光。
気の遠くなるような距離にある、見知らぬ星の終焉。

「600万光年以上離れているから、いつ爆発したかは定かじゃないんだけどね。地球に光が届くまで、かなりの時間がかかるから」
「そうなの。ロマンチックね」

宇宙は今でも無限に拡張し続けているらしい。
それほど広大なのだ、今この瞬間にもどこかでその超新星爆発とやらが起こっていても不思議ではない。

「いつか太陽も爆発してなくなってしまうのかしら」
「いつかは、ね。星の命は永遠じゃないからね」
「………地球も?」
「うん。―――地球も」

もう一度望遠鏡を覗き見る。

―――今ここから見ている最期の光をわたし達は確認しているけれど、自分の住むこの星の最期は、どこで誰が見届けてくれるのだろう。

命が巡り、違う星から地球の最期を観測しているのだろうか。
その時はまた、あなたがわたしの傍にいてくれるかな。

「何だか切なくなってきちゃう」
「………ありふれた日常全てに、奇跡は紛れているのかもね」

―――際限ない宇宙の片隅で。
どうか離れずに、想い合う命が寄り添えていられますように。


END.

5/31/2024, 6:19:06 AM