ねちょねちょ系鯖缶

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よく喋る人だった
愚痴や下世話という文化をよく知られていたような
それらの羅列が絆だとかな証ではなかったことも、ついこの頃知った
なら、なんだったんだろうと過ぎた嵐を窓の遠くから眺める
張り詰めた水素を掃き溜めに捨てただけだったのかと、素朴に思案している

あまり喋れない性根だった
厳密に言うと、言うべきでないこと程よく口走ったような
ぎちぐちとゼンマイを快くない拍で回す脳だった
嫌なことを都度吐きなさいと言われたので、試したこともあったが、上手くは立ち行かなかった

どうやっているの?と聞こうともしたが、やはり舌が回らない
極寒に這う心地と似ている
夢を見るのだ
苦しまない世界で貴方に刺し殺される夢
虚空とよく語り合う
面白かったのに、貴方だったらば
この目の前が、質量を持って見えないのだから、貴方に絶望の餞しか手渡せないのだ

奇っ怪種々雑多な夢を見ている


夢の貴方に夢を見ている
刃を向けようとも“大好きな君に”と涙を流さない貴方の夢に酔っぱらう
覚めたと聞いた世界を冷めて感じている
喚かないでよ、励まさないでよ、泥土に塗れて飽き飽きだから
いい所なんて無いようにってさ努めてるのさ。何一つ分からない貴方に世辞の一つさえ似合わないだろ
たまにはね、都合の悪いフィクションだとか見させないで

3/6/2026, 5:55:31 AM