小さい頃に、誰かに言われたことがある。「下手」その一言がどうしようもなく悔しくて、よくあるゲームのキャラやプロを目指す人からしたらしたうちにも入らないだろうが、努力をした。そうするうちに、「上手だね」と言われるようになった。それが嬉しくて、褒められるためだけに続けた。みんなが見てくれるように、褒めてくれるように。
でも、ふと思った。これじゃただの馬鹿みたいだ。好きだから始めたんじゃなかったのか、褒められるために続けてなんの意味がある。そう思って、止めようとした。なのに、次の日、鉛筆を持って机に向かっている私がいた。あぁ、そうか。私は、好きだったんだ。誰に何を言われようと。好きという気持ちだけは、嘘なんかじゃなかった。馬鹿らしかったって良い。惨めだろうがなんだろうが、私はそれが好きなだけ。それ以上に理由は要らない。だから。
3/22/2023, 12:00:10 PM