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(ラベンダーの香を身に纏いたい、今日この頃。オマエと絡めた小指。海を攫うのはムリだけど、海に包み込まれるのはカンタンでしょ。)


孤独な鯨、あの白鯨にすこし似ている。ベッドで御眠り。


******、オレたち一緒に行こうねえ。
なんて笑つてゐたのは何時の話だったかしら。あんまり窓の外が光るものですから其れも忘れて仕舞ったのでしょう。橄欖石やら翡翠やら瑪瑙やらの色をした草を風が撫ぜるばかりで、それでいて、どうにも厭きるということもなく、なんべんも光っている。さいわいというものが何たるかを教えようとしているようでした。そしてまた鼻腔を擽るとこれもばらの匂いがするのです。こんな綺麗なものいままで見ただろうかとうんうん唸っているうちに、うすくらい隧道へと入りまして、けれどもやはりその中も不思議に水の音がしました。ポチョリ、ポチョリ、何かに当たっているようで、ようく目を凝らしたはよかったのですが、存外に隧道が短かったらしくついぞその正体は分からずじまいに終わったという訳です。

6/12/2023, 10:19:08 AM