太陽のような
太陽のようになりたいと、君みたいになりたいと、あの人みたいになりたいと、僕は願ったんだ。
そこまで辿り着きたいと走ったんだ。
でも息が続かなくて、足は痛くて動かなくった。
走っている途中、邪魔だと言って、あの人を傷付けた。僕が蹴飛ばした小石は、あの子にぶつかった。
こんなはずじゃない。こんなはずじゃない。
僕は君みたいに、あの人みたいに、なりたかった。
太陽みたいになりたかった。
太陽は言う「あなたは月みたいに綺麗な人」。
そんなんじゃない。そんなんじゃない。
僕は太陽になりたかった。
月じゃなくて太陽に。
あの人は言う「そのままで大丈夫よ」。
違う。違う。
僕は誰かを照らす光に、なりたかった。
そう、あなたみたいな。
僕は太陽でも月でも、君でもあの人でもない。
僕は悲しいくらい、僕でしかない。
なんでだろう。なんでだろう。
なんで、僕は僕なんだろう。
今日も、僕は僕のまま。
眩しすぎる太陽に目を細めて、答えのないまいにちを生きている。
2/23/2023, 5:18:16 AM