春の訪れを知らせてくれる花がある。
子どもの頃、学校からの帰り道に、桜のような花が咲いている木を見つけたとき、わたしが「桜だ!」というと友達が「あれは梅の木ってお母さんが言ってたよ」と言った。
そのあと、わたしと友達は、桜と梅は何がどうちがうのかなといっしょに考えたが、「わからないね」という結論を出して、それ以上は考えなかった。
先日、お花見へ行った。最近友達になった、わたしにとってお姉ちゃんみたいな存在の人と、一緒に行った。
お花見へ行った神社には、たくさんの桜のような梅のような花をつけた木があちこちにあった。そのなかの一つの木に近づいて、わたしはふとこれはなんの木なんだろうと思った。
思ったことがそのまま声に出ていたようで、それを聞いた友達が教えてくれた。
「梅は、枝に直接花をつけるけど、桜は枝からニョキッと出た緑色のやつに花をつけるらしいよ。」
「あとね、梅は丸い花びらだけど、桜は花びらに切れ込みがあるんだって」
そう教えてもらい、一緒に目の前の木はなんの木か見てみた。「花が枝に直接ついていて、丸い花びらだから、梅だ!」わたしは友達にいうと、友達は、そうだねと言ってニコッと笑った。
これまでずっと意識していたわけではないか、子どもの頃から疑問に思っていたことがわかって、すっきりしたような爽やかな気持ちになった。
梅か桜の違いを知っていても、学校のテストには出ないし、会社の面接試験でもアピールする機会少ないだろう。
しかし、こういう豆知識は、世界の観測者である”わたし“がかけている”目では見えない透明なメガネ“に、“幸せなレンズ“として、”観測する世界”をより楽しく、わくわくするものに見える魔法をかけてくれるような気がする。
”観測する世界”は変わらないのに、“幸せなレンズ“があればあるほど、幸せを感じられるんだと思った。
実際に、わたしもこの魔法をかけられて、この日から今日まで幸せな気持ちの余韻に浸っている。魔法の効力が続いているともいえる。
豆知識は、小さいようで大きな知識なのである。
わたしにとって、春の訪れを知らせてくれる、梅と桜の見分け方が、その一つである。
_________桜____________________________________。
4/5/2025, 12:24:19 AM