NoName

Open App

詩人を愛せば

その日からカナリヤは鳴かなくなった
詩は 世界に取り残された真実を暴く死海文書
君と僕で 超常対決するべきだった
セックスしながら闘いたかった
出逢った瞬間 意識が火花を放ち
スパークしたはず

なのに ピタリと途絶え
世界はいよいよ破滅に向かっている

君は恥じたのだ
世間と切り離せず
人目を気にし始めた

僕は再会の度 しらけて行ったが何年も耐えた
耐え難きを耐えた! 我ながらタフだった

なのに君 別れたら 途端に実力を発揮しているっぽい
まぁいいよ
詩はやはり独りで書くのがいい
生活感は無いに限る

失恋 未練 後悔
お似合いのテーマだね
僕は苦手だけど

詩人は片恋の虜囚
成就した途端
霊力が失せてしまう

僕の右肩で
今もカナリヤが鳴く

5/26/2022, 2:12:57 PM