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〜眠りにつく前に〜

幼い頃から水の中で生活をしていた
よく通るのは自分と似たような子や白い何かを来た人
なんかの板をもって手を動かしている人
自分をずっと見ている人
でもその人達を触ることもその人達と何かを交わすことも出来ない
ただ暖かい水の中でその人たちの行動を見ているだけだった

ふと目を開ける
いつもは浮遊感のある水の中なのに今日は違った
地に足が着いているし服もきている
いつもは肌に水を感じるのに今日は変だ
それにいつもは壁越しにしか見れない人に手が届く

あれ、なんだろうこの鎖は
手を動かすとジャラジャラとなる鎖
背中は妙に重く首を動かすと視界がグラグラと揺れる
上を見上げると大きな球体のようなものからなんだか太い縄のようなものが出ていて壁につながっている
周りには同じような子達が沢山いて
自分はその中央に座っていた
他の子達動いてない、な
背中に刺さったものがチクチクと体を蝕んでいく
あ、れ、眠く、なって

核の中心
国を保つために我々は核を実験体で生成している
あの子は中心となる成功体
他の子は核に繋ぐ前に意識を手放した子たち
人間に勝手に作り出され勝手に実験体にされた哀れな子供たち
これで我々の国は少しの間安泰でいられるだろう

カクっと自分は意識を手放し聞こえるところまでの
聞き取れるまでの人の言葉を耳に入れて……
眠りにつく前自分は自分たちが生まれた理由を知った
さようなら……暖かいと思っていた人
さようなら…暖かい水…

11/3/2022, 6:55:54 AM