No.33「燃える葉」
燃えるように赤い落ち葉
でもまだ僕は赤い落ち葉にはなれたくて
乾いた土の上で緑や黄色のままでいる
積もった日々の残骸
カサカサと鳴り響く音
冬になるまえのひとあがき
葉は一瞬、生前の色を思い出す
僕の憧れ燃えるように赤い落ち葉
だけどまだ緑色や黄色や朱色
再び鮮やかに煌めくまであと少し
1年前の記憶
あの夏の木漏れ日も
あの夕暮れの静けさも
青い空に溶けて消える
やがて残るのは
葉っぱの残骸
されどそれは栄養となり
新しい命が静かに次かと待つ
息をひそめて
真っ赤になれるそのときをまつ
その一瞬に全てをかけて燃え尽きるために
美しいと言ってもらえる様に
まさに終わりのない循環
葉は色づき散って土に還り
次の秋を待ちまた真っ赤に燃えて散る
僕もそんな風に潔くなれればいいのどけど。
10/6/2025, 2:52:34 PM