数年ぶりにみかんを食べた。
或いは毎年家にはあったけど、気に止めてなかったのかもしれない。
あまり理解されない果物嫌いである私だが、数少ない食べられるフルーツのうちの一つが、みかんである。
かといって、好きかと聞かれたらそうでも無いと答えるだろうが。
無くても困らない、その程度である。
小さな頃は、果肉の周りの白い筋を全く気にすることなく食べていたのに、久しぶりのみかんは鮮やかな橙色でないと食べられなくなっていた。
ジャンクフードに侵された味覚に、自然の甘さが染み渡る。
その小さな、少し歪なオレンジの球体に、月日の流れと己の相変わらずの嗜好を馳せた、微かなひと時だった。
12/30/2023, 7:25:50 AM