ミミッキュ

Open App

"鳥のように"

空がどんなに高くとも、落ちるとこまで落ちた俺には絶望の要因にも進む事を止める要因にもならない。俺には失うものなんて何も無いのだから。どん底まで落ちたなら、上へ、前へと進むしかないのだから。絶望なんて怖くない。あの絶望に比べたら、全ての絶望なんてちっぽけなものだ。どんな悪夢に苛まれようとも、心を灯す夢があるからここまで来られた。あれから何度も立ち上がって走って、強くなった。
土砂降りのあの夜の答えはまだ分からない。けれど、あれが最適解だったと胸を張って言える。ヒカリは前に、前だけに射すから、前を向く限りヒカリを見失う事は無い。闇から逃げず、むしろ受け入れて前へ進む力にして、足を動かし続けてきた。
最初は上を見る事も、前を向く事も、顔を上げる事も怖かった。ただひたすらに俯いてた。苦しくて辛くて、無力な自分が悔しくて悔しくて、足元を見る事しか出来なかった。けれど今は、もう違う。ただがむしゃらに動くだけの、無力だった俺じゃないから。羽ばたこう、もう一度。あの時よりも高い場所へ。

8/21/2023, 10:56:08 AM