『太陽の下で』
8時32分。
受験生とは思えない遅い朝だ。
いや。これが普通なのか。よく分からない。
周りの受験生がどんな生活をしているのか、自分がそれほどよく知らないということに、最近気がついた。
布団の上で体を起こし、伸びをする。
部屋の中はカーテンを通した光のせいで、黄色くぼやけている。
カーテンを開けると、部屋の中のものがそれぞれの色を持った。
(汚ったなぁ)
部屋中に、投げ捨てられたプリントやら教科書やら模試の結果やらが山積みになって残っている。たいして使い物にならない紙たちが、私の部屋を占領していた。
普段の朝より太陽の光が強い。
単純に起きる時間の問題だろうが、私には珍しいものに見えた。
久々に浴びる朝日は、暖かくて、気持ちがいい。
相変わらず何もする気は起きないけれど、無理せずやろうと思う。
ここ数日の私の目標は、『頑張ることを諦めること。』
これがまた難しくて、やらないのは簡単だが、やっぱり罪悪感に苛まれる。塾や学校の人たちの視線に、まだ少し、苦手意識がある。
だから自分に言い聞かせる。
私は休まなくてはいけないのだ。
大丈夫。もう、十分頑張ったから。
11/25/2023, 11:10:01 AM