夜中の11時。
深夜徘徊という名の散歩に出かけた。
ここら辺は町外れの地域で、人はほとんど居ない。
たまに、仕事帰りのスーツを着た人を見るくらい。
どこかへ行く宛てもなく彷徨っていると、
小さな公園に、1人の少女がいるのが薄っすらと見えた。
一瞬、無視しようとしたが、街灯の灯りを頼りに彼女を見ると、服がボロボロなことに気がついた。
それと同時に、服の隙間から見える無数の痣。
普通の人であったら、きっと気味が悪いと思うほど酷い姿だった。
でも僕は、何故かそんな彼女に吸い寄せられるかのように、
気がついたら声をかけていた。
「…どうしたの?」
声をかけてから、急に話しかけたらやばいかも。そんな不安が襲ったが、彼女はこう言った。
「家出してきたの。虐待もいじめも、もう嫌になって。全部投げ出して死んでやろうって思って歩いてたらここに着いたから…」
僕は一瞬、次になんて言っていいか分からなくなった。
そうなんだ。だと軽すぎるだろうし、、、
なんて考えてると、
「…ごめんなさい。こんな話して、忘れてください…。」
僕より2回りほど小さい彼女は、きっと僕よりもたくさん辛い経験をして、助けて欲しかったのだろう。
そう考えたらたまらず、
「…うちに来ませんか?」
そう口にした、君と僕が出会った日。
〖初作品〗
1/26/2024, 1:38:41 PM