空が泣く
今日も人工降雨のミサイルが打たれ、化学反応作用の雨が降った。
無理矢理にでも雨を降らせないと熱くなって乾いた大地、少なくなっていく湖、海を一時的にでも止め事が出来ないというのが、アカデミーの見解だった。
反対運動が起きている。エコロジスト団体だ。一部の地区で人工降雨による雨で健康被害が出ているためだ。
アカデミーの発表は関係ないだった。
化学物質を精製する為には純水が必要だ。だから地下水を汲み上げる理由になる。一般人の飲料水は配給だというのに。シャワーも禁止。入浴は週に一度。髪を洗うなんて出来ない量の水だ。だから、皆、刈り上げるか坊主が多い。
争いになるのはわかりきっている話だ。
大地は怒りの熱を持ち、風は熱と冷気を極端な割合で運んでくる。森は枯れて、海には腐敗した魚が浮かび、生活環境は悪い。
シャーマンが現れて空を見上げて震えていた。
空が泣く。深い哀しみに制御が効かない。
もう、止められない。
大地に伏して祈りの声をあげる。
自然に雨がふるのはいつ以来だろう。
ノアの方舟は一般人にはない。みな、流されていく。
この文明の恩恵を享受したものを。アカデミーは脱出用の飛行船に群がっていた。
宇宙船だった。地球を見限ったようだ。責任も捨てた。
9/16/2024, 10:08:06 PM