水月凜峯(みなつきりお)

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『勿忘草』

忘れない、忘れられない思いがある人は
人として 何かが宿り、光っている

私は なんでも すぐに忘れてしまう

覚えておかなきゃならないことさえも

今さっき考えていたことも、何考えていたっけと
わからなくなってしまう

人と話していても 相手は覚えているのに

私は思い出せないことがある

だから、覚えていられる人をすごく尊敬するし
羨ましいとも思う

忘れないでほしいと、人に強く思うほど、
自分自身も忘れなくなるのだろうか

自分にとって、これはとてつもなく大事なことだと
強く感じられれば、忘れないでいられるのだろうか


私は起きてるけど、今は眠ってるみたい
頭がモヤモヤしている
心もモヤモヤしている

起きていても、うっすらとした霧の中で
息しているみたい

時は光みたいに早く進んでいるのに
私の細胞はずっと止まっているみたい
でも、同時にゆっくりと枯れていってもいるみたい
 

勿忘草を 想い人に渡したかった青年は
霧の中にはいなかった
枯れてもいなかった
きっと燃えていた
なのに、悲劇は起きた

青年の思いは、真実の愛として
永遠の愛として、勿忘草に宿ったのだろう

勿忘草
なんて 可愛いらしい花なのだろう
なんと ひたむきな花なのだろう
見ると 心にぱっと光が灯った
止まっていた時が ゆっくりと
動き出していきそうな
そんな気さえした

霧の中に 凛とした青が咲いた
あなたの心に 少しだけ触れた気がした

まだ霧は 晴れないけれど

私も何か 忘れられない思いを持ちたいと思う

その思いを持てた時
目が醒めて、晴れた青空の下を歩ける気がする
凛とした青い心で

2/2/2024, 2:00:08 PM