酸素不足

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『風に乗って』


ビュウと、一瞬、強い風が吹く。
その風に、持っていた手紙を巻き上げられてしまった。
風に連れ去られて行く手紙を、追いかけることも無く、だだ見つめる。
あの手紙が、彼の元に届くことは無いけれど、あのまま風に乗って、どこか遠くまで行かないだろうか。
私の想いと共に、遥か上空へと運んではくれないだろうか。
空よりも高い、ずっとずっと遠い彼方まで。

彼のいる、天国まで。

4/29/2024, 11:52:55 AM