お題「月夜」
「今夜は荒れそうだな」
髭を生やし髪は全て剃って光を反射させながらホテルの受付に立ってる男は呟いた。
男の顔は言うまでも無く、体も良く鍛えられており大抵の人は彼と目が合えば一瞬尻込みしてしまうだろう。
「そろそろか」
男の一言でホテルのロビーの入り口が開いた。
「うひひ、今日一泊頼むよ」
「おっちゃーん僕も一泊お願い!」
体は腐敗が進んでいるゾンビの老人と、背中には赤く立派な羽が生えた少年がやってきた
「あいよ、ほら鍵だ。場所はいつものとこだろ」
「さんきゅーおっちゃん」
「うひひ、ありがとよ」
男は慣れた手つきで受付で手続きをしている
もうかれこれ何百年もこの仕事をしているので慣れたものだ
入り口が開いた音がした
団体の客が来たようだ
「俺と、あと30人いるんだが、今夜一泊大丈夫か?」
受付に来た男は頭にツノを生やしている。
ツノを生やした男の後ろには、同じくツノの生えた少年少女達が賑やかに談笑している
「ああ、あんたはここ始めてだな。」
「そうだ。」
「じゃあこれに名前を書いてくれ、部屋は何部屋に必要だ?」
「俺意外は5人ずつ6部屋用意してくれ」
「わかった。すぐ手配する」
受付の男はカウンターの裏の部屋にいき
数分してすぐ戻ってきた
「部屋は用意できた。これが部屋までの地図だから無くすなよ」
ツノの生えた男達は地図を受け取り会釈して部屋へ向かった。
「今夜はまだまだ新規の客が来そうだな。」
満月の日
とあるホテルは人知れず営まれている。
完
3/7/2023, 1:50:08 PM