「ひなまつりは女の子のお祝いだよ」
元保育士の親からそんな風に教わってきた。
雛人形も、三人官女までの小規模なものだったけど、ちゃんと飾ってた。生物上、私は女性として育てられており、兄も弟もいない家のため、ひなまつりがやけに重宝された。
しかし、今、私は"自分の性別"が分からない。女性なのか、男性なのか。自認する性別と生物上の性が噛み合わないのだ。それがなんとなく分かってから、家でひなまつりをやらなくなった。親に言ったわけじゃない。単純に、雛人形を置いていた棚に、「推し活」を始めたからだ。
「もう、人形置かないよ?ぬいぐるみとかよけて、出すの、時間かかるから」
と、親がかつて置いていた棚を見て、やめたからだ。
性の多様性だとか、叫ばれていく中、一番最初に消えていく文化はこういう、性別を重んじた文化なのだと、ふと思った。
3/3/2026, 10:52:24 AM