《その目に映る色》
(刀剣乱舞/前田藤四郎)
まだ日が昇る前。辺りは暗いが、不思議と目が覚めてしまった。
同室の兄弟達は深い眠りについており、前田はそっと起き上がり部屋の外に出た。
「まだ誰も起きていない静かな本丸は特別感がありますね.....」
なんせ顕現数は100を超えた。
毎日が賑やかで仕方ない本丸なのだ。
賑やかな本丸の静かな時間。早起きしたからこそ味わえる空気と景色は格別だった。
暫く縁側で景色を眺めていると、徐々に空が明るくなってきた。
青くて暗い空の色が、段々と桃色と黄色が混じった色になる。
「確かこの色は、東雲色でしたっけ...」
前に秋田藤四郎が見せてくれた本に書いてあった事を思い出しながら、夜明け前の空の移ろいを瞳に写してゆく。
9/13/2024, 10:45:14 AM