─突然の別れ─
「別れよっか、私達。」
『そうだね。今までありがとう。』
そう言ってこの関係を終わらせた。
悲しさなどはなかった。
元々僕達に愛なんて無かったから。
ただ友達のように遊んで、一緒に笑いあった。
それだけの関係。友達以上、恋人未満の関係だった。
ただ遊ぶだけなら友達のままでいい、と言う結論に至って恋人と言う関係をやめた。
でもただの友達に戻るだけだったので、僕達は別れてもよく遊んでいた。
あの事故が起きるまでは。
ある夏の暑い日。今日も遊ぶ約束をしていたため、公園で待っていた。
「やっほー!」
公園の前にある道路に君が見えた。
迎えに行こうと立ち上がった時だった。
耳鳴りが起きそうなほど高く、大きな車のクラクションが鳴り響いた。
驚いて目を閉じた。次に開いたときには、
君が道路の中央で、頭から血を流して倒れていた。
呼吸が荒くなるのが分かった。
その間も君は頭から血を流していて。もう手遅れだった。
そんな突然の別れを迎えた君に、伝えたかった。
『君と一緒に居た時間はどれも、夢のように幸せだったよ。』
5/19/2023, 4:02:06 PM