「…二番じゃ、嫌……一番がいいの…」
昨晩の僕を見て面倒臭い、そう思われたかもしれない。
でも彼は酷く優しく笑って僕を抱きしめた。
「君はずっと、僕の一番だよ」
「………うん」
彼の薬指で銀に輝くリングをみてしまったのを知らないフリして「ありがとう」と広い背中に腕を回した。
────どうせ一番にしてくれないなら優しくしないで。
そんなこと言えるはずがないのに心の中で何度も繰り返す僕とリングを隠しもしない彼が大嫌いで、大好きだった。
お題:優しくしないで
5/2/2023, 12:17:55 PM