【ハッピーエンド】
高く澄みわたる空と、柔らかく吹く風。辺りも明るく、暖かい。木々が揺れて、ざわざわと鳴る。
「さて」
ちょっと疲れてる顔で、彼が振り返った。髪の毛はぐしゃぐしゃで、服には汚れが目立つ。それは自分も同じなのだけど。
「これからどうしようか?」
「どうする?」
聞き返す。どうすれば良いかなんて分からない。
何もかも終わってしまって、残ったのは彼と自分だけで。
全ての『自分たちにとっての悪』を倒した結果、全ての自分たち以外のものを排除する結果に終わったけれども。
これはこれで。
「のんびり考えるかあ」
なんて彼が言うから、彼の頬の返り血をぬぐってやりながら、
「そうだねー」
二人だからどうにかなるって、そんなことを思えた。
3/30/2024, 7:49:45 AM